大家のそろばん賃貸経営の判断ツール

管理会社 継続診断

契約書を見ながら答えると、法・国のひな形・公的統計の段ごとに分けて診断します(点数は付けません)。最終更新: 2026-10-17 / 運営: 大家のそろばん

契約の型(ここで対象かどうかが決まります)
契約の種類
手元の書類(法が求めているもの)
契約時の書面
登録番号の記載
登録が要る規模
報酬外費用の定め
報告書が届く間隔
直近の報告書
契約書の中身(国のひな形と突き合わせる)
報酬の基準
再委託の範囲
原状回復の見積
修繕の発注
特定できない点の交渉
自分の数字(任意・未入力のままでも診断は出ます)

入力値はこのブラウザの中だけで計算し、送信も保存もしません。

計算の詳細

このツールについて

「うちの管理会社は大丈夫か」という問いに、業者を採点して答えることはしません。 代わりに、手元の契約書と、直近1年に受け取った書類を見ながら答えていくと、 自分の契約が法が求める最低ラインを満たしているか、 国が示すひな形と違う点を説明できる状態か、 報酬の料率が分布のどのあたりかが、混ざらない形で分かります。 この3つは確度も意味も違うので、足し合わせません。 出るのは点数ではなく、読むべき条項と、聞くべき質問です。

要点(4項目)
  • 入力するのは契約書と書類の中身だけです。業者名・担当者名・物件名を書く欄はありません(点数も順位も作りません)。
  • 「登録が無い=違法」でも「月次で報告が来ない=違法」でもありません。登録の義務は一定規模以上の事業者にかかり、法が求める定期報告の周期は月次ではありません。ここを取り違えると、根拠のない評価を自分に配ることになります。
  • 料率だけでは結論が動きません。国の標準契約書が管理報酬と管理業務に要する費用を別の条に置いている以上、同じ%でも含まれる業務が違います。
  • 切替のコストは、結論にかかわらず常に出します。コストを出さない診断は、切替を勧める広告と区別が付きません。

入力した内容はブラウザの中だけで処理しています。サーバーへ送信も保存もしていません。 ページを閉じれば残りません。業者名・物件名を入力する欄は最初から作っていません。

入力欄の説明

(23項目)
結んでいる契約の種類
契約書の表題で見分けます。管理受託契約書か、賃貸借契約書(一括借上げ・マスターリース)か。サブリースは適用される条文が別なので、このツールでは診断しません。
選択肢: 管理受託(自分が賃貸人のまま、管理だけを委託している)/サブリース(業者に一括で貸し、業者が入居者へ転貸している)/自主管理(管理会社がいない)/分からない
管理受託契約を結んだときの書面を受け取っているか
賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律第14条が、契約を締結したときの書面の交付を管理業者の義務としています。電磁的方法で提供されていて気づいていないことがあるので、メールの添付や管理会社のウェブ明細も探してください。
選択肢: 受け取っている(紙または電磁的方法で)/受け取っていない/分からない
契約書・締結前の説明の書面に、管理会社の登録年月日と登録番号の記載があるか
施行規則第31条第1号・第35条第2項第1号が、これらを書面の記載事項に挙げています。記載が無いことは、そのまま違法という意味にはなりません(次の設問と組み合わせて見ます)。
選択肢: 記載がある/記載が無い/分からない
その管理会社は、登録が義務づけられる規模かどうか
法第3条第1項のただし書が、国土交通省令で定める規模未満の事業者を登録の義務から外しています。その規模(戸数)は省令の改正で動くので当サイトには書いていません。施行規則第3条の現行の条文で確認してください(確認先は下の節にあります)。
選択肢: 施行規則が定める規模以上(登録が必要な規模)/規模未満(登録が無くても適法)/分からない
報酬に含まれない費用(通常必要とするもの)の定めが書かれているか
施行規則第31条第5号が、報酬に含まれていない管理業務に関する費用であって通常必要とするものを、契約の締結前の説明事項に挙げています。ここが無いと、あとから請求される費用の範囲が決まりません。
選択肢: 書かれている/書かれていない/分からない
管理業務報告書が届く間隔(直近の報告書の日付で見る)
法が求める周期と、契約で合意した頻度は別ものです。まず直近の報告書の日付を見てください。
選択肢: 毎月/三月ごと/半年ごと/年1回/1年以上届いていない/分からない
直近の管理業務報告書を手元で開いて、この先の設問に答えられるか
報告書を見ずに記憶で答えると、診断ではなく感想になります。手元に無い場合、次の5つの設問は判定に使いません(画面からも隠れます)。
選択肢: 手元にあり、中身を見ながら答える/手元に無い・見ていない
報告書に「報告の対象となる期間」が書かれている
施行規則第40条第1項が管理業務報告書の記載事項として挙げている3つのうちの1つです。
報告書に「管理業務の実施状況」が書かれている
同項が挙げている記載事項の1つです。
報告書に「入居者からの苦情の発生状況と対応状況」が書かれている
同項が挙げている記載事項の1つです。件数がゼロでも「発生なし」と書かれていれば入っています。
報告書に「入出金の明細」が付いている
これは法定の記載事項ではありません。契約で決めることなので、交渉の論点になります。
報告書に「空室と募集の状況」が書かれている
これも法定の記載事項ではなく、契約で決めることです。
管理報酬は何に対する金額として書かれているか
国の標準管理受託契約書は、管理報酬(第4条)と管理業務に要する費用(第5条)を別の条に置いています。何に対する%かが決まらないと、料率を他と比べる意味がありません。
選択肢: 家賃の額に対する割合/家賃+共益費などの合計に対する割合/戸あたりの定額/契約書から特定できない/分からない
賃貸借契約の更新について、代理権の範囲が契約書で特定できる
標準管理受託契約書第14条が代理権の授与を定め、第4号に賃貸借契約の更新を挙げています(同条は事前に貸主と協議し承諾を求めることを条件にしています)。
修繕の費用負担についての入居者との協議で、代理権の範囲が契約書で特定できる
同条第5号に対応します。
原状回復についての入居者との協議で、代理権の範囲が契約書で特定できる
同条第6号に対応します。
再委託(管理業務の一部を他社に出すこと)の範囲が契約書で特定できるか
標準管理受託契約書第13条は、第三者への再委託を定め、管理業務を一括して他者に委託してはならないとしています。清掃・設備点検が再委託になっていること自体は普通のことで、論点は範囲が特定できるかどうかです。
選択肢: 特定できる/特定できない/分からない
退去時の原状回復の見積は、どこまで示されて届くか
判定するのは「根拠が示されているか」という手続の有無だけで、負担区分の中身の当否ではありません。国のガイドラインは、自らを法的拘束力のない一般的な基準だと明記しています。
選択肢: 負担区分の根拠(誰がなぜ負担するか)まで示されて届く/金額だけが届く/直近1年に退去が無い・見ていない
修繕を発注するとき、相見積を取れるか
標準管理受託契約書は、管理業務に要する費用を貸主の負担とし(第5条)、立替費用のうち頭書で定めた金額を超えるものは事前に協議することとしています(第6条)。誰が発注先を決めるかは契約で決まります。
選択肢: 取れる(自分で業者を選べる)/契約で発注先が決まっている/取ったことがない
上で「特定できない」と答えた点について、管理会社と交渉したことがあるか
国のひな形と違うこと自体は問題ではありません。違いを説明できるか、直せるかが論点です。交渉しても動かなかった項目があることは、結論を「切替検討」側へ動かします。
選択肢: まだ交渉していない/交渉して、契約書・運用が変わった/交渉したが、変わらなかった
管理報酬の料率
左端(未入力)のままでも診断は出ます。入れた場合も、公的統計の分布のどのあたりかを示すだけで、適正・不適正は判定しません(何が報酬に含まれるかが契約ごとに違うためです)。
スライダーの範囲: 未入力(左端)・0.1〜15%
直近1年の平均空室期間
当サイトはこの数字を相場と比べません(比較できる公的統計を持っていないためです)。入れると、前年の自分と比べるための覚え書きとして結果に残します。
スライダーの範囲: 未入力(左端)・1〜365日
解約の予告期間
契約書の解約条項に書かれている月数です。切替コストの計算にだけ使います。
スライダーの範囲: 未入力(左端)・1〜24ヶ月

確認先(当サイトでは決まらないもの)

(5件)

この診断は条文とひな形の当てはめです。登録を要する事業の規模、書面の記載事項の具体、 自分の契約書の解釈は、いずれも当サイトでは決まりません。次の公式の面で確かめてください。

計算式

(10本)

この計算機が使っている式は以下がすべてです。ここに書いていない補正はしていません。

項目式確度
このツールが診断する契約 管理受託契約だけ/ サブリース(特定賃貸借)・自主管理・契約の型が分からない場合は 3択を出さずに打ち切る
サブリースは賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律の別の章(特定賃貸借契約の 適正化のための措置)が適用され、家賃保証の条件・減額請求・解約の可否が別の論点になります。 同じ診断に混ぜると、どちらの読者にも誤った結論を出します。自主管理は診断する契約が存在しません。
A 公式一次
結論を出さない条件(判定保留) 第1段の設問6つ(契約時の書面/登録番号の記載/登録が必要な規模か/報告の間隔/ 報告書を手元で見たか/報酬外費用の定め)のうち、「分からない」が4つ以上のとき
契約書を見ずに答えた入力から3択を出すと、根拠の無い判定を配ることになります。 この場合は結論を出さず、契約書のどこを見ればよいかの案内だけを出します。 4という数(6問の過半)は当サイトの置き方で、制度上の根拠はありません。
E 推定
第1段(法が求める最低ライン)で「欠落」と言えるもの 契約時の書面を受け取っていない → 法第14条第1項/ 報告書が1年以上届いていない → 施行規則第40条第1項/ 報告書に「報告の対象となる期間」「管理業務の実施状況」「入居者からの苦情の発生状況と対応状況」の いずれかが無い → 同項(報告書を手元で見た場合だけ判定する)/ 報酬に含まれない費用の定めが書かれていない → 施行規則第31条第5号/ 登録が必要な規模なのに登録番号の記載が無い → 法第3条第1項+施行規則第3条
「業者が法令違反をしています」とは書きません。 出すのは「制度上あるはずのものが 手元にありません。まず業者に確認してください」までです。自分が紛失している場合・ 電磁的方法で提供されていて気づいていない場合(法第13条第2項・第14条第2項)が実際にあり、 当サイトは違反を認定する立場にありません。 規模未満の事業者は登録が無くても適法なので、規模が「未満」「分からない」のときは 登録番号の記載が無くても欠落にしません。
A 公式一次
第2段(国が示すひな形との違い)で「未確定」と言えるもの 報酬が何に対する金額か契約書から特定できない → 標準管理受託契約書 第4条・頭書(4)/ 代理権の範囲を契約書で特定できない項目がある → 同 第14条(第4号〜第6号)/ 再委託の範囲を契約書で特定できない → 同 第13条/ 原状回復の見積が金額だけで届く・見ていない → 原状回復をめぐるトラブルとガイドライン/ 修繕の発注先が契約で決まっている・相見積を取ったことがない → 標準管理受託契約書 第5条・第6条/ 報告書に入出金の明細または空室と募集の状況が無い → 同 第15条・頭書(8)
第2段は「違反」ではありません。 標準管理受託契約書は国が示す書式であって法令ではなく、 法が求めているのは法第14条・施行規則第35条の記載事項のほうです。原状回復のガイドラインは、 自らを「法的な拘束力を持つものでもない」一般的な基準だと明記しています。 したがって当サイトはガイドライン準拠かどうかを○×で判定せず、 負担区分の根拠が示されているかという手続の有無だけを見ます。 違っていること自体は問題ではなく、違いを説明できるかが論点です。
A 公式一次
第3段(公的統計の分布)での位置づけ 料率が未入力、または報酬が何に対する金額か特定できないときは位置づけない/ 戸あたり定額の契約も位置づけない/ それ以外は、最も多い階級(4%以上5%未満)と比べて 5%以上なら「分布の上側」、4%未満なら「最も多い階級より下」と言うだけ
出典は国土交通省の管理業者向けアンケート調査(2019年12月公表・N=2,911)です。 賃貸住宅管理業法の施行より前の調査で、回答者は家主ではなく管理業者です。 当サイトは「相場は○%」という単一の値を出しません。 標準管理受託契約書が 管理報酬(第4条)と管理業務に要する費用(第5条)を別の条に置いている以上、 同じ%でも含まれる業務が違い、率の単独値から適正・不適正は言えません。 上側にあること自体は悪いことではありません——報告書本文によれば、 全体の8割弱が3%以上6%未満に設定しており、5%台はその中の2番目に多い階級です。
B 公的統計
3択の決め方(段をまたいで合算しない) 第1段の欠落が1件以上 → 切替検討/ 第1段の欠落は無いが、第2段の未確定について「交渉したが変わらなかった」 → 切替検討/ 第1段の欠落が無く、第2段の未確定が1件以上、または第3段で分布の上側 → 条件交渉/ いずれも無い → 継続
段ごとに独立に評価し、最も重い段の結果を結論にします。合算しません。 合算した瞬間に「ガイドラインと違うこと1件=法令上の欠落1件」になり、確度の違う根拠が混ざります。 点数・重み・合計を作らないので、順位を付けることもできません。 この3択は当サイトの当てはめ(推定)で、管理会社の評価ではありません。 「切替検討」は「切替を検討する材料が揃っている状態です」という意味で、 切り替えるべきだという意味ではありません。
E 推定
料率だけでは結論が動かないこと 第3段(料率)が到達できるのは条件交渉まで/ 第3段だけで「切替検討」にはならない
何が報酬に含まれるかが契約ごとに違う以上、率の単独値で契約の是非は決まりません。 料率が高いと感じたときに先に見るのは、第5条にあたる「報酬に含まれない費用」の範囲のほうです。
E 推定
交渉の論点をどこから出しているか 論点の文言・出典・重みづけはチェックリスト側が正本で、ツールは入力に応じて その部分集合を選んで出すだけ(契約時の書面が無い/登録番号の記載が無い/ 登録が必要な規模か分からない/登録番号の記載がある/第2段の未確定が1件以上/常に出すもの)
同じ文章をツールとチェックリストの2箇所に持つと、片方だけが直されて食い違います。 抜粋に出る項目は、チェックリストのページにも同じ文言で載っています。
A 公式一次
切替コストの出し方(結論にかかわらず常に出す) 解約の予告期間(入力があれば月数)/ 敷金・預り金と関係書類の引渡し → 標準管理受託契約書 第22条/ 鍵の引渡し → 同 第12条/ 入居者への通知 → 同 第23条第2項/ 進行中の原状回復協議・保証会社と火災保険の窓口の付替え(実務の一般論)
切替のコストを出さない診断は、切替を勧める広告と区別が付きません。 条文・ひな形に根拠のある項目(A)と、実務の一般論にすぎない項目(E)は混ぜずに分けて出します。 解約違約金の水準・切替にかかる金額は当サイトに書きません(契約ごとに決まるためです)。
A 公式一次
空室期間の扱い 入力があっても相場と比較しない/ 前年の自分と比べるための覚え書きとして出すだけ
空室期間の全国・地域別の公的統計を当サイトは持っていません。比較対象が無いまま 「長い・短い」と言えば、それは印象を数字に見せかけることになります。
E 推定

見落としがちなこと

8項目(見出しを押すと本文が開きます)

計算結果より、たいていはこちらのほうが金額を大きく動かします。

登録が無いことは、違法でも「悪い管理会社」でもない

必須

この分野でいちばん多い誤りがここです。賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律第3条第1項は 登録の義務を定めていますが、そのただし書が、事業の規模が国土交通省令で定める規模未満の ときはこの限りでないとしています。 つまり規模未満の管理会社は、登録が無くても適法に賃貸住宅管理業を営めます。 小規模で丁寧な会社ほどこの側に入ります。 当サイトが登録番号の記載の有無を第1段(法)の欠落として扱うのは、 登録が必要な規模だと分かっている場合だけです。 規模が分からないなら、それは業者の問題ではなく自分がまだ確かめていないという状態です。 規模の基準(戸数)は省令の改正で動くため当サイトには書いていません。施行規則第3条の現行の条文で確認してください。

窓口での聞き方: 御社は賃貸住宅管理業の登録を受けていますか。登録年月日と登録番号を教えてください。登録が無い場合、登録を要する規模に当たらないという理解でよいですか。

出典: 賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律(登録・管理受託契約・定期報告) A 公式一次 / 賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律施行規則(登録を要する規模・説明事項・定期報告) A 公式一次 / 国土交通省「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」 A 公式一次

月次で報告が来ないことは、違法ではない(だからこそ交渉の論点になる)

必須

法が求める定期報告の周期は月次ではありません。施行規則第40条第1項が定める 周期のなかで、記載事項として挙げられているのは「報告の対象となる期間」 「管理業務の実施状況」「入居者からの苦情の発生状況と対応状況」の3つです。 入出金の明細は、この3つに入っていません。 毎月の収支報告も、入出金明細の添付も、法の要求ではなく契約で決めることです。 国の標準管理受託契約書も、報告は貸主と合意した頻度で行うと書いています(第15条・頭書(8))。 ここを「違法だ」と言って交渉を始めると、話が噛み合いません。 「契約で決めることなので、頻度と記載事項を決め直したい」と言うのが正しい入り方です。 同条は貸主が必要と認めるときに報告を求め、関係書類の提示を求めることができるとも定めています。

窓口での聞き方: 報告の頻度と記載事項は契約のどこで決まっていますか。入出金の明細と空室・募集の状況を毎月の報告に加えるとしたら、何を変える必要がありますか。

出典: 賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律施行規則(登録を要する規模・説明事項・定期報告) A 公式一次 / 国土交通省「賃貸住宅標準管理受託契約書」 A 公式一次

原状回復のガイドラインは、自分で「法的な拘束力を持つものでもない」と書いている

必須

国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」は、 あくまで負担割合等についての一般的な基準を示したものであり、 法的な拘束力を持つものでもないと自ら明記しています。使用を強制するものでもなく、 原状回復の内容・方法は最終的には契約内容と物件の使用の状況等によって個別に判断・決定されるべきものだとも書いています。 したがって当サイトは「ガイドライン準拠かどうか」を○×で判定しません。 判定しているのは「負担区分の根拠が示されて見積が届くか」という手続の有無だけで、 区分の中身が正しいかどうかは見ていません。 金額だけの見積が届くこと自体は違法ではありませんが、 根拠が示されないと、入居者との交渉も、管理会社との協議も、印象の話になります。

窓口での聞き方: 原状回復の見積に、負担区分の根拠(経過年数の考え方・毀損の程度・貸主負担と借主負担の切り分け)を添えてもらえますか。

出典: 国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」 A 公式一次 / 国土交通省「賃貸住宅標準管理受託契約書」 A 公式一次

同じ「5%」でも、契約が違えば意味が違う

必須

国の標準管理受託契約書は、管理報酬(第4条)と、管理業務に要する費用(第5条)を 別の条に置いています。つまり何が報酬に含まれるかは契約ごとに違います。 入居者募集の広告料、更新の事務手数料、原状回復の手配料、緊急対応の出動費、 これらが報酬の中にあるのか外にあるのかで、同じ%でも年間の支払額は変わります。 料率を下げる交渉だけをして、外側の費用が増えれば意味がありません。 先に見るのは「報酬に含まれない費用」の範囲のほうです (施行規則第31条第5号が、これを契約の締結前の説明事項にしています)。 当サイトが料率について出すのは公的統計の分布のどのあたりかだけで、 適正額は出しません。含まれる業務が契約ごとに違う以上、単一の適正額は存在しないからです。

窓口での聞き方: 管理報酬に含まれる業務を全部挙げてください。報酬に含まれず別に請求される費用にはどんなものがありますか。過去1年で実際に別請求になった費用の科目を教えてください。

出典: 国土交通省「賃貸住宅標準管理受託契約書」 A 公式一次 / 賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律施行規則(登録を要する規模・説明事項・定期報告) A 公式一次 / 国土交通省「賃貸住宅管理業務に関するアンケート調査結果(管理業者)」 B 公的統計

サブリースは、このツールの対象外(適用される条文が別)

注意

業者に一括で貸して業者が転貸する形(サブリース・マスターリース)は、 管理受託契約とは別の規律に服します。同じ法律の中でも 特定賃貸借契約の適正化のための措置という別の章が適用され、 家賃保証の条件・減額請求・解約の可否といった、管理受託とは違う論点が中心になります。 このツールを当てはめると、どちらの読者にも誤った結論を出すので、入口で打ち切っています。 見分け方は「入居者から家賃を受け取っているのは誰か」です。 業者が入居者から受け取り、自分は業者から賃料を受け取っているならサブリースです。

窓口での聞き方: 私が結んでいるのは管理受託契約ですか、それとも特定賃貸借(サブリース)契約ですか。契約書のどの条がその根拠になりますか。

出典: 賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律(登録・管理受託契約・定期報告) A 公式一次 / 国土交通省「賃貸住宅管理業法ポータルサイト」 A 公式一次

切り替える側にも、見えていないコストがある

注意

管理会社を替えるときに動くのは、委託先の名前だけではありません。 敷金・預り金と関係書類の引渡し、滞納状況の引継ぎ(標準管理受託契約書 第22条)、 鍵の引渡し(同 第12条)、入居者への通知(同 第23条第2項)、 解約の予告期間(契約で決まります)。 加えて、進行中の原状回復協議をどちらが引き継ぐか、 家賃保証会社・火災保険・設備の保守契約の窓口を誰に付け替えるかが残ります。 退去と入居が重なる時期に切り替えると、この引継ぎが同時に走ります。 当サイトは切替にかかる金額を書きません(契約ごとに決まるためです)が、 結論が「継続」でも「条件交渉」でも、このコストは同じ画面に出しています ——コストを出さない診断は、切替を勧める広告と区別が付かないからです。

窓口での聞き方: 解約の予告期間は何ヶ月ですか。解約したとき、敷金・預り金と関係書類、鍵、滞納状況はいつまでにどう引き渡されますか。入居者への通知は誰が出しますか。

出典: 国土交通省「賃貸住宅標準管理受託契約書」 A 公式一次

このツールは管理会社に点数を付けない(付けられない作りにしてある)

入力欄に業者名・担当者名・物件名を書く場所がありません。 名前を入れると結果が変わる作りにすると、それは実質的に業者の採点になるからです。 内部でも合計点・重み・5段階といった数値を1つも作っていません。 判定は「該当した項目の配列」で持ち、結論は配列が空かどうかと、どの段で出たかだけで決めています。 点数を持たない実装にしておくことが、あとから「点数で並べる」ができない唯一の担保です。 当サイトは特定の業者の評価・順位・処分歴を持たず、保存もしません。 調べるための公式の入口だけを、確認先として案内しています。

出典: 国土交通省「ネガティブ情報等検索サイト」 A 公式一次

料率の分布は2019年公表の調査で、法施行より前のもの

第3段で使っている分布は、国土交通省が令和元年(2019年)12月に公表した 管理業者向けアンケート調査(N=2,911)のものです。 賃貸住宅管理業法の施行(令和3年6月)より前の調査で、 回答したのは家主ではなく管理業者です。設問は家賃の月額に対する割合なので、 共益費を含む契約や戸あたり定額の契約とは分母が違います。 当サイトはこの資料から自分の料率が分布のどのあたりかだけを出し、 「相場は○%」という単一の値は出しません。 新しい調査が出ていないかは、確認先の節から所管のページで確かめてください。

出典: 国土交通省「賃貸住宅管理業務に関するアンケート調査結果(管理業者)」 B 公的統計 / 国土交通省「賃貸住宅管理業法ポータルサイト」 A 公式一次

このページに書いていないこと

(7項目)

次の数字は、正確に書けないと分かっているので載せていません。

  • 管理委託費の「相場」の単一の値(何が報酬に含まれるかが契約ごとに違うため。分布の中の位置だけを示します)
  • 公的統計の階級別の集計表そのもの(原文の転載はしません。出典URLと、読むのに必要な事実だけを示します)
  • 登録を要する事業の規模(賃貸住宅の戸数)。省令の改正で動くため、施行規則第3条の現行条文で確認します
  • 書面の記載事項の一覧・様式(同じ理由。施行規則第31条・第35条・第40条の現行条文で確認します)
  • 特定の管理会社の名称・点数・順位・処分歴(当サイトは1件も持たず、保存もしません)
  • 空室期間の相場(比較できる公的統計を持っていないため。前年の自分との比較に倒しています)
  • 解約の違約金・切替にかかる費用の水準(契約ごとに決まるため)

関連するページ

出典と確度

(11件:A 10・B 1)
出典種別確度備考確認日
賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律(登録・管理受託契約・定期報告) 法令 A 公式一次 令和2年法律第60号。2026-09-20 に e-Gov 法令API(法令ID 502AC0000000060・ 令和7年6月1日施行の版)で条文を取得して確認した。 第3条第1項=賃貸住宅管理業の登録義務。ただし書が「その事業の規模が、当該事業に係る 賃貸住宅の戸数その他の事項を勘案して国土交通省令で定める規模未満であるときは、この限りでない」 としており、規模未満の事業者は登録が無くても適法(原文ママ。具体の戸数は施行規則が定める)。 同第2項=登録は五年ごとの更新。第8条=賃貸住宅管理業者登録簿を一般の閲覧に供する。 第13条=管理受託契約の締結前の書面の交付と説明。第14条=締結時の書面の交付。 第20条=委託者への定期報告。 法が求めているのは第14条の記載事項であって、特定の書式の使用ではない ——標準管理受託契約書と違う契約書であること自体は、この条文からは違法にならない。 2026-09-20
賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律施行規則(登録を要する規模・説明事項・定期報告) 法令 A 公式一次 2026-09-20 に e-Gov 法令API(法令ID 502M60000800083)で条文を取得して確認した。 第3条=法第3条第1項の「国土交通省令で定める規模」を定める条。 当サイトは戸数そのものを転記しない(省令の改正で動くため。現行の条文で確認する)。 第31条=管理受託契約の締結前の説明事項(第1号に商号・登録年月日及び登録番号が入る)。 第35条=締結時書面の記載事項(第2項第1号に同じく登録年月日及び登録番号)。 第40条第1項=管理業務報告書の作成・交付・説明の周期と記載事項。 記載事項・周期の具体は省令の改正で動くため、ページ本文には書かず、この条文を開いて確かめる。 2026-09-20
国土交通省「賃貸住宅標準管理受託契約書」 官庁ガイドライン A 公式一次 全16頁。2026-09-20 に本体PDFを取得し、頭書・第1条〜第26条・巻末の 「作成にあたっての注意点」を直接確認した。国土交通省が示す標準の書式で、法令ではない。 本文書のなかに「使用を強制しない」旨の明記は見つからなかった(全頁を検索した結果。 同種の原状回復ガイドラインには明記がある)。当サイトは、法が求めるのは 法第14条・施行規則第35条の記載事項であってこの書式の使用ではないという条文上の事実までを 根拠とし、「この書式と違う=違法」とは書かない。 頭書に登録年月日・登録番号・業務管理者の欄、(4)管理報酬、(5)管理業務に要する費用、 (8)甲への定期報告の内容及び頻度の欄がある。第4条(管理報酬の支払い)と 第5条(管理業務に要する費用)が別の条になっており、何が報酬に含まれるかは契約ごとに違う。 第12条=鍵の管理・保管、第13条=第三者への再委託(一括して委託してはならない)、 第14条=代理権の授与(第4号の賃貸借契約の更新・第5号の修繕の費用負担の協議・ 第6号の原状回復の協議は事前に甲と協議し承諾を求めなければならない)、 第15条=管理業務に関する報告等(頭書(8)に従い甲と合意した頻度で定期に報告し、 甲は必要があると認めるときは報告を求め、関係書類の提示を求めることができる)、 第21条=解約の申し入れ、第22条=契約終了時の書類・金員の引渡しと滞納状況の報告、 第23条第2項=契約終了時の入居者への通知。 2026-09-20
国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」 官庁ガイドライン A 公式一次 平成23年8月・国土交通省住宅局。2026-09-20 に第1章のPDF(全34頁)を取得し、 「本ガイドラインの位置づけ」と第1章冒頭を直接確認した。 ガイドライン自身が法的拘束力を否定している——「その使用を強制するものではなく、 原状回復の内容、方法等については、最終的には契約内容、物件の使用の状況等によって、 個別に判断、決定されるべきもの」「ガイドラインは、あくまで負担割合等についての 一般的な基準を示したものであり、法的な拘束力を持つものでもない」(いずれも原文ママ)。 したがって当サイトは「ガイドライン準拠か」を○×で判定しない。 判定してよいのは「負担区分の根拠が示されているか」という手続の有無までで、 区分の中身の当否ではない。 2026-09-20
国土交通省「賃貸住宅管理業務に関するアンケート調査結果(管理業者)」 官庁統計 B 公的統計 令和元年(2019年)12月18日公表・全43頁の集計資料(本体PDF 001320848.pdf)。 2026-09-20 に報道発表と本体PDFを取得し、Q26「受託管理業務に対する報酬額の設定 (家賃の月額に対する割合)」(本文15頁・PDFの17頁目)を直接確認した。回答者は管理業者で N=2,911。当サイトが使うのは次の2つの事実だけで、階級別の集計表そのものは転載しない。 ① 最も多い階級は「4%以上5%未満」であること。 ② 報告書本文が、全体の8割弱の業者が3%以上6%未満に報酬額を設定していると記述していること。 読むときの限界: ⓐ 2019年12月公表で、賃貸住宅管理業法の施行(令和3年6月)より前の調査。 ⓑ 家主側ではなく管理業者側の回答。ⓒ 設問は家賃の月額に対する割合なので、 共益費を含む契約・戸あたり定額の契約とは分母が違う。ⓓ 何が報酬に含まれるかは契約ごとに違う (標準管理受託契約書が管理報酬(第4条)と管理業務に要する費用(第5条)を別の条にしている)。 したがって同じ%でも意味が同じではなく、率の単独値から良し悪しは言えない。 2026-09-20
国土交通省「賃貸住宅管理業法ポータルサイト」 制度所管 A 公式一次 賃貸住宅管理業の登録制度・管理業者の業務・特定賃貸借(サブリース)の規制を、 所管省庁が制度ごとにまとめている入口(2026-09-20 に開いて構成を確認した)。 制度概要ハンドブック・登録申請の方法・標準管理受託契約書がここから辿れる。 管理受託契約とサブリース(特定賃貸借)は適用される条文が別で、ポータルも 「特定賃貸借契約事業者の方へ」を別の節に置いている。当サイトは両者を同じ診断に混ぜない。 2026-09-20
国土交通省「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」 制度所管 A 公式一次 宅地建物取引業者・賃貸住宅管理業者・マンション管理業者などを横断で検索できる公式システム (2026-09-20 に開いて検索メニューと注記を確認した)。免許・登録の有無と、 免許証番号・登録年月日がここで確認できる(賃貸住宅管理業者登録簿の一般の閲覧=法第8条、 宅地建物取引業者名簿等の閲覧=宅建業法第10条に対応する面)。 業種ごとに更新の頻度が違い、更新のタイミングによっては実際の登録状況と時間差が生じる旨が ページに注記されている。 当サイトは頻度の値を書き写さない(仕様の変更で動くため)。 番号が出るのは「いつ免許・登録を受けたか」「いま有効か」までで、業務の質は入っていない。 2026-09-20
国土交通省「ネガティブ情報等検索サイト」 制度所管 A 公式一次 国土交通省所管の事業者等の過去の行政処分歴を分野別に検索できる公式サイト (2026-09-20 にトップと宅地建物取引業者の分野のページを開いて確認した)。 公開の対象となる処分の種類・公開の期間・更新の間隔が、分野ごとのページに明記されている。 当サイトはその値を書き写さない(仕様の変更で動くため)が、読み方として重要なのは次の2点。 ① 掲載が無いことは処分歴が無いことを意味しない——公開の対象も期間も限られており、 更新にも間隔があるため、対象外の処分・期間を過ぎた処分・直近の処分は出てこないことがある。 ② 掲載があることは取引してはいけないという意味でもない——当サイトは処分の有無を 判断材料の1つとして案内するだけで、可否の結論を出さない。 当サイトは処分の情報を1件も保存・転載しない。 2026-09-20
宅地建物取引業法(免許・媒介契約・重要事項の説明) 法令 A 公式一次 昭和27年法律第176号。当サイトはこの法律を分野をまたいで引いている。 免許(第3条=免許権者の区分と有効期間、第7条=免許換えによる従前の免許の失効、 第10条=宅地建物取引業者名簿等の一般の閲覧)、媒介契約(第34条の2=書面の交付、 専任媒介契約の有効期間、指定流通機構への登録と登録を証する書面の引渡し、申込みの報告、 業務処理状況の報告、これらに反する特約の無効)、重要事項の説明と37条書面 (第35条・第37条)。 設備の権利関係(所有権・契約の承継可否)が重要事項の説明対象に含まれるかどうかは、 個別の取引・仲介の実務判断による。 免許証番号の括弧内の数字(回次)の意味はこの法律には書かれていない ——別の出典(都道府県の免許情報提供サービスのヘルプ)で確認している。 2026-09-03
国土交通省「宅地建物取引の免許について」 制度解説 A 公式一次 2026-09-20 に開いて確認した。大臣免許(2以上の都道府県に事務所を設置)と 知事免許(1の都道府県に事務所を設置)の区分、免許の有効期間、更新申請の受付期間、 提出先窓口(各都道府県の宅地建物取引業免許事務担当課)が書かれている。 免許証番号の括弧内の数字についての説明は無い(このページからは回次を読めない)。 更新申請の受付期間・手数料・様式は制度側で動くため、当サイトは値を転記せず確認先として示す。 2026-09-20
東京都「宅地建物取引業者免許情報提供サービス」ヘルプ 制度解説 A 公式一次 免許証番号の括弧内の数字(回次)について、「最初の免許取得時が『1』となり、 その後の更新回数を加えたものです。」と定義している(2026-09-20 に開いて確認・原文ママ)。 当サイトが回次の定義を確認できた唯一の公式記載。ただし次の2点に注意する。 ① 一つの都道府県のサービスの説明であり、全都道府県で同じ定義・同じ表記かどうかは 当サイトで確認できていない。 ② 免許換え(宅建業法第7条第1項)があったときに回次がどう扱われるかの記載は無い。 当サイトはこれを「取得不能」として扱い、回次から業歴を逆算しない。 2026-09-20

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