売主の告知書と契約不適合責任 — 買主が契約前から引渡し後までに確かめる点
一棟・区分を買うとき、売主の告知書(物件状況等報告書)に書かれたこと・書かれていないことを、 買付前の資料請求と契約の条項、引渡し後の通知と記録の段階で確かめるためのチェックリストです。 売主や業者を評価するページではありません。
全11項目:必須6件・注意4件・参考1件 確度: A 公式一次 6件・D 実測1件 4件(弱いものは行に印)
- 告知書に無いことは、聞いて書面で答えてもらう
- 工事報告書と管理会社の月次報告を買付前に請求する
- 契約書で通知の期間がどう定められているか確かめる
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1. このページの立場(疑うのではなく、書面に残す)
告知書は、売主が知っている範囲を書く書面です。くわしく
書かれていないことは「無い」とは限らず、 「聞かれていない」「把握していない」こともあります。このページは、買主の側から聞き、答えを書面に残すための チェックリストです。確度Dの項目は、運営側の実例1件から得た実務上の注意で、母数は1件です。 条文が何を定めているかまでは書きますが、個別の契約・事案での判断は書きません。
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くわしく
告知書に書かれていないことを、聞いて書面で答えてもらう対象として扱う
なぜ: 民法第572条は、担保の責任を負わない旨の特約をしても、売主が知りながら告げなかった事実については 責任を免れないと定めている。買主が具体的に聞き、売主が書面で答えた記録は、後で「知っていたか」を 確かめるときの材料になる。疑うためではなく、双方の認識をそろえるための手続として使う。
出典: 民法(売買の契約不適合責任・債務不履行による損害賠償) A 公式一次
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くわしく
通知の文面・請求の方法・交渉の方針は、弁護士など専門家に相談してから決める
なぜ: このページは確かめる点の一覧で、法律の助言ではない。条文の当てはめは契約書の条項の構成と 事実関係で変わるため、具体的な判断は弁護士などの専門家に委ねる。
いまの答えでは、この節の項目は対象外です()。
2. 買付・契約の前(資料を請求する)
買付の前は、資料を求めやすい時期です。くわしく
引渡しの後に売主へ頼み直すのは難しくなります。
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くわしく
売主の所有期間中の屋根・防水・排水の工事報告書と、管理会社の月次報告(過去数年分)を、買付前の資料請求に入れる
なぜ: 告知書に無い不具合の履歴が、工事報告や月次報告の中に出てくることがある。受け取った報告書は、 売主の側がその不具合を知っていたかどうかを示す書面にもなる。
出典: 一棟賃貸物件の運営記録(当社運営・1件) D 実測1件
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くわしく
告知書に「居住していないため知らないことがある」とあれば、管理会社を含めて把握していないかまで書面で聞いておく
なぜ: 売主本人が住んでいなくても、管理会社への入居者からの連絡や修理の手配の記録として残っていることがある。 「売主として把握していない」のか「管理会社を含めて把握していない」のかを、答えの範囲として書面で分けておく。
出典: 一棟賃貸物件の運営記録(当社運営・1件) D 実測1件
いまの答えでは、この節の項目は対象外です()。
3. 売買契約の条項を読む(契約の前)
契約不適合責任の期間・範囲は、民法の定めより先に、売買契約書の条項で決まることが多くあります。くわしく
署名の前に、条項の文言で確かめます。
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くわしく
契約不適合の通知の期間が、売買契約書でどう定められているかを確かめる
なぜ: 民法第566条は、買主が不適合を知った時から1年以内にその旨を売主に通知しないと、追完・代金減額・ 損害賠償・解除を請求できないと定めている。ただし売買契約で期間が別に定められていれば、まずその定めに従う。 宅地建物取引業者が自ら売主となり、買主が業者でない売買では、宅地建物取引業法第40条が、通知の期間を 引渡しの日から2年以上とする特約を除き、民法の定めより買主に不利な特約をしてはならず、反する特約は無効と している(業者どうしの取引には同法第78条第2項により適用されない)。売主・買主が業者かどうかで読み方が変わる。
出典: 民法(売買の契約不適合責任・債務不履行による損害賠償) A 公式一次
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くわしく
売主と買主がともに会社などの商人に当たる売買では、商法の特則が関わりうるので、通知の期限の読み方を専門家に確かめる
なぜ: 商法第526条は、商人間の売買について、買主は目的物を受領したら遅滞なく検査し、不適合を発見したら 直ちに売主へ通知を発しなければならない(直ちに発見できない不適合は6か月以内に発見したとき)と定めており、 民法第566条の「知った時から1年以内」とは期限の組み立てが違う。売主が悪意の場合は適用しない(同条第3項)。 自分の取引が当たるかどうかと、契約書の定めとの関係は、専門家に確かめる。
出典: 商法(商人間の売買における買主の検査・通知) A 公式一次
いまの答えでは、この節の項目は対象外です()。
4. 引渡し後(通知と記録)
引渡しの後に見つかった不具合は、期限内の通知と、発見した時の記録が出発点になります。くわしく
原因の特定を待ってから動くと、期限のほうが先に来ることがあります。
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くわしく
不適合を知った時から1年以内(売買契約に別の定めがあればその期間内)に、その旨を売主に通知する
なぜ: 民法第566条は、買主が不適合を知った時から1年以内にその旨を売主に通知しないと、追完・代金減額・ 損害賠償・解除を請求できないと定めている(売主が引渡しの時に不適合を知り、または重大な過失によって 知らなかったときを除く)。売買契約書で期間が別に定められていれば、そちらを先に確かめる。
出典: 民法(売買の契約不適合責任・債務不履行による損害賠償) A 公式一次
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くわしく
原因が分からなくても期限内に通知を出し、届いた証拠を残す(仲介を通すなら、売主に伝えた旨の返信をもらう)
なぜ: 原因の調査には時間がかかることがあり、特定を待つと期限に近づく。通知は「何が起きているか」を伝えれば 出せる。仲介会社を通して伝える場合は、売主に伝えた旨の返信をもらい、届いたことを書面で残す。
出典: 一棟賃貸物件の運営記録(当社運営・1件) D 実測1件
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くわしく
見つけた不具合ごとに、発見した日と発見した時の状態を写真と文章で記録する
なぜ: 引渡しの時点で既にあった不具合なのか、引渡しの後に広がった被害なのかを、後から分けて説明できるようにする。 どちらに当たるかで、請求の筋が変わりうる(次の項目)。
出典: 一棟賃貸物件の運営記録(当社運営・1件) D 実測1件
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くわしく
引渡しの時点で既にあった不適合と、引渡しの後に生じた・広がった損傷とでは、請求の筋が変わりうることを踏まえて整理する
なぜ: 民法は、引き渡された目的物が契約の内容に適合しないとき、修補などの追完(第562条)と代金減額(第563条)を 定め、損害賠償は第564条により第415条の定めによる(債務者の責めに帰することができない事由によるときは 請求できない)。また第567条は、引渡し以後に当事者双方の責めに帰することができない事由で生じた損傷を 理由には追完等を請求できないと定めている。実際の扱いは売買契約書の条項の構成によるので、 条項と記録をそろえて専門家に相談する。
出典: 民法(売買の契約不適合責任・債務不履行による損害賠償) A 公式一次
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くわしく
工事報告書・月次報告・告知書への書面の回答を、通知や協議の資料としてひとつにまとめておく
なぜ: 民法第566条のただし書は、売主が引渡しの時に不適合を知り、または重大な過失によって知らなかったときは 1年の期間の制限を適用しないと定めている。買付前に集めた書面は、その点を確かめるときの材料になる。 判断そのものは専門家に委ねる。
出典: 民法(売買の契約不適合責任・債務不履行による損害賠償) A 公式一次
いまの答えでは、この節の項目は対象外です()。
チェックの状態はこのページのURL(#以降)にだけ入り、サーバーには送られません。このURLをブックマークすると、続きから再開できます。
印刷してそのままお使いいただけます(すべての節を、全文で印刷します)。金額・料率はこのページに書いていません——年度で変わるためです。
関連するページ
- 手順を確認する: 媒介契約の前後で、依頼者が使える手続のチェックリスト
このページに書いていないこと
(4項目)
次の情報は、正確に書けない・すぐ古くなると分かっているので載せていません。
- 特定の売主・仲介会社・管理会社の名前・評価。当サイトは「危ない売主の見分け方」を書かない
- 実例の経緯・金額・比率・建物の特徴(物件が特定できる情報を出さないため)
- 特約の文例(契約ごとに違い、特定の契約の文面を写さないため)
- 条文の当てはめ(個別の契約・事案でどう判断されるか。弁護士などの専門家に相談する)
出典と確度
(4件:A 3・D 1)
| 出典 | 種別 | 確度 | 備考 | 確認日 |
|---|---|---|---|---|
| 民法(売買の契約不適合責任・債務不履行による損害賠償) | 法令 | A 公式一次 | 明治29年法律第89号。2026-10-09 に e-Gov 法令検索の法令APIで、現行(令和8年6月24日施行分まで反映)の 次の条文の本文を取得して確認した。第562条(引き渡された目的物が種類・品質・数量に関して契約の内容に 適合しないとき、買主は修補等による履行の追完を請求できる)、第563条(代金減額請求)、 第564条(前二条は第415条による損害賠償の請求と解除権の行使を妨げない)、第415条第1項 (損害賠償。ただし債務者の責めに帰することができない事由によるときはこの限りでない)、 第566条(種類・品質の不適合は、買主が不適合を知った時から1年以内にその旨を売主に通知しないと、 追完・代金減額・損害賠償・解除を請求できない。ただし売主が引渡しの時に不適合を知り、または 重大な過失によって知らなかったときはこの限りでない)、第567条第1項(引渡し以後に当事者双方の 責めに帰することができない事由で滅失・損傷したときは、それを理由に追完等を請求できない)、 第572条(担保の責任を負わない旨の特約をしても、知りながら告げなかった事実については責任を免れない)。 これらは任意規定を含み、売買契約書で期間・範囲が別に定められていれば、まず契約書の定めを読む (宅地建物取引業者が自ら売主となり買主が業者でない売買では、特約の制限が宅地建物取引業法第40条にある。業者どうしの取引には同法第78条第2項により適用されない)。 | 2026-10-09 |
| 宅地建物取引業法(免許・媒介契約・重要事項の説明) | 法令 | A 公式一次 | 昭和27年法律第176号。当サイトはこの法律を分野をまたいで引いている。 免許(第3条=免許権者の区分と有効期間、第7条=免許換えによる従前の免許の失効、 第10条=宅地建物取引業者名簿等の一般の閲覧)、媒介契約(第34条の2=書面の交付、 専任媒介契約の有効期間、指定流通機構への登録と登録を証する書面の引渡し、申込みの報告、 業務処理状況の報告、これらに反する特約の無効)、重要事項の説明と37条書面 (第35条・第37条)。 設備の権利関係(所有権・契約の承継可否)が重要事項の説明対象に含まれるかどうかは、 個別の取引・仲介の実務判断による。 免許証番号の括弧内の数字(回次)の意味はこの法律には書かれていない ——別の出典(都道府県の免許情報提供サービスのヘルプ)で確認している。 | 2026-09-03 |
| 商法(商人間の売買における買主の検査・通知) | 法令 | A 公式一次 | 明治32年法律第48号。2026-10-09 に e-Gov 法令検索の法令APIで、現行(令和8年6月24日施行分まで反映)の 第526条の本文を取得して確認した。商人間の売買では、買主は目的物を受領したら遅滞なく検査し、 種類・品質・数量の不適合を発見したら直ちに売主に通知を発しなければ、追完・代金減額・損害賠償・解除を 請求できない。直ちに発見できない種類・品質の不適合を6か月以内に発見したときも同様(第2項)。 売主が悪意であった場合は適用しない(第3項)。個別の取引が「商人間の売買」に当たるか、 売買契約書の定めとどう関係するかは当サイトは判断しない(専門家に確かめる)。 | 2026-10-09 |
| 一棟賃貸物件の運営記録(当社運営・1件) | 実測 | D 実測1件 | 当社が運営する一棟賃貸物件で実際に検討・確認した内容。1件の事例であり一般化できない。 物件が特定できる寸法・請求額・所在地は掲載しない。 | 2026-09-03 |
免責
このチェックリストは一般的な進め方の目安であり、税務・法務・投資の助言ではありません。 制度の対象可否・届出の要否・契約の解釈は、いずれも所管の官公庁および契約の当事者の判断で決まります。 実行の前に、必ずご自身で窓口へ確認してください。 当サイトはこのページを利用した結果について責任を負いません(免責事項)。