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媒介契約の前後で、依頼者が使える手続のチェックリスト

最終更新: 2026-10-17 / 運営: 大家のそろばん

一棟・区分の売買で不動産会社に仲介を頼むとき、宅地建物取引業法が依頼者の側に用意している手続 (登録を証する書面、申込みの報告、業務処理状況の報告、重要事項の説明)を実際に使うためのチェックリストです。 業者を評価するページではありません。

全19項目:必須13件・注意5件・参考1件 確度: A 公式一次 19件

最初に確認
  1. 目的を「自分の手続を使い切る」に置き直す
  2. 媒介契約が一般・専任・専属専任のどれかを確かめる
  3. 契約書に価額・登録・報酬・有効期間等の記載を見る

1. このページの立場(疑うのではなく、使う)

一棟オーナーは、買う側にも売る側にもなります。くわしく

以下の節は立場が混ざるので、見出しに 「売る側」「買う側」を付けてあります。いま自分がどちらの立場かを確かめてから読んでください。

  • くわしく

    「危ない業者を見分ける」ではなく「自分に与えられている手続を使い切る」に目的を置き直す

    なぜ: 宅地建物取引業法は、媒介を依頼した者に対して、書面の交付・登録を証する書面の引渡し・ 申込みの報告・業務処理状況の報告といった手続を業者の義務として課している。 依頼者の側がこれらを求めるのは、業者を疑う行為ではなく、制度が想定している使い方そのもの。

    出典: 宅地建物取引業法(免許・媒介契約・重要事項の説明) A 公式一次

  • くわしく

    依頼しようとしている会社の免許が有効かを、公式の検索システムで先に確認する

    なぜ: 免許の有無は開業の要件であって品質の保証ではないが、最初に事実として確かめられる数少ない項目。 番号の読み方は関連ページのチェックリストにある。

    出典: 国土交通省「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」 A 公式一次

2. 媒介契約を結ぶ前(売る側)

媒介契約には一般・専任・専属専任の3種類があり、種類によって業者が負う義務が変わります。くわしく

「どれが得か」ではなく「この種類を選ぶと、業者は何をする義務を負うのか」で読んでください。

  • くわしく

    結ぼうとしている媒介契約が一般・専任・専属専任のどれかを、契約書の表題と条文で確かめる

    なぜ: 宅地建物取引業法第34条の2は、依頼者が他の業者に重ねて依頼することを禁ずる契約を専任媒介契約と定義し、 種類に応じて指定流通機構への登録の義務、報告の頻度などを分けている。種類が分からないまま義務の話はできない。

    出典: 宅地建物取引業法(免許・媒介契約・重要事項の説明) A 公式一次

  • くわしく

    専任媒介契約の有効期間が三月を超えていないかを確認する

    なぜ: 同条第3項は、専任媒介契約の有効期間は三月を超えることができず、これより長い期間を定めたときは その期間は三月とすると定めている。更新は依頼者の申出によることができるが、更新の時から三月を超えられない(同第4項)。

    出典: 宅地建物取引業法(免許・媒介契約・重要事項の説明) A 公式一次

  • くわしく

    交付される媒介契約書に、価額、指定流通機構への登録、報酬、有効期間と解除の定めが書かれているかを見る

    なぜ: 同条第1項は、媒介契約を締結したときに遅滞なく書面を作成して記名押印し、依頼者に交付することを業者の義務とし、 その記載事項を号で列挙している。書面が来ないまま売り出しが始まる状態を当たり前にしない。

    出典: 宅地建物取引業法(免許・媒介契約・重要事項の説明) A 公式一次

  • くわしく

    価額について業者が意見を述べたときは、その根拠を示してもらう

    なぜ: 同条第2項が、価額または評価額について意見を述べるときは根拠を明らかにしなければならないと定めている。

    出典: 宅地建物取引業法(免許・媒介契約・重要事項の説明) A 公式一次

3. 媒介契約を結んだ直後(売る側)

専任・専属専任の媒介契約では、業者は物件を指定流通機構(レインズ)に登録し、その登録を証する書面を 依頼者に引き渡さなければなりません。くわしく

この書面が、自分で取引状況を確認するための入口になります。

  • くわしく

    指定流通機構への登録を証する書面を受け取り、手元に保管する

    なぜ: 宅地建物取引業法第34条の2第5項が専任媒介契約における指定流通機構への登録を、 第6項がその登録を証する書面を遅滞なく依頼者に引き渡すことを、それぞれ業者の義務としている。 登録の期間は国土交通省令で定まるため、当サイトは日数を書かない。

    出典: 宅地建物取引業法(免許・媒介契約・重要事項の説明) A 公式一次

  • くわしく

    受け取った書面から売主専用画面にアクセスし、自分の物件の取引状況が見られる状態にしておく

    なぜ: 国土交通省が売主向けに出しているリーフレットが、売主が自分で取引状況を確認できることと、 そのアクセス方法を説明している。アクセスの方法と登録できる取引状況の種類はシステムの改修で動くので、 当サイトは仕様を書かず、確認先だけを示す(関連ページの公式リンク集)。

    出典: 国土交通省「レインズの機能強化について、物件の売主向けのリーフレットを作成しました!」(報道発表・別添リーフレット) A 公式一次

4. 売り出し中(売る側)

売り出しが始まったら、報告を待つだけにしないでください。くわしく

報告は業者の義務であり、 取引状況の確認は依頼者自身ができます。両方を使うと、聞くべきことが具体的になります。

  • くわしく

    取引状況を定期的に自分で確認し、自分の認識と食い違っていないかを見る

    なぜ: 国土交通省のリーフレットは、売主が取引状況を把握することが円滑な契約の締結に役立つとしたうえで、 実際とは異なる取引状況が登録されていた場合に依頼した業者へ問い合わせる流れを図で示している。 食い違いを見つけたときは、評価ではなく事実の確認として問い合わせる。

    出典: 国土交通省「レインズの機能強化について、物件の売主向けのリーフレットを作成しました!」(報道発表・別添リーフレット) A 公式一次

  • くわしく

    購入の申込みがあったときに、遅滞なく報告を受けているかを確認する

    なぜ: 宅地建物取引業法第34条の2第8項は、媒介契約の目的物である宅地または建物の売買等の申込みがあったときは、 遅滞なくその旨を依頼者に報告しなければならないと定めている。

    出典: 宅地建物取引業法(免許・媒介契約・重要事項の説明) A 公式一次

  • くわしく

    業務処理状況の報告を、契約の種類に応じた頻度で受けているかを確認する

    なぜ: 同条第9項は、専任媒介契約では二週間に一回以上、専属専任媒介契約では一週間に一回以上、 業務の処理状況を依頼者に報告しなければならないと定めている。

    出典: 宅地建物取引業法(免許・媒介契約・重要事項の説明) A 公式一次

  • くわしく

    契約書にこれらの報告を減らす特約が入っていないかを見る

    なぜ: 同条第10項は、第3項から第6項まで及び第8項・第9項の規定に反する特約は無効とすると定めている。 特約が書いてあっても効かないので、書面に押し切られない。

    出典: 宅地建物取引業法(免許・媒介契約・重要事項の説明) A 公式一次

  • くわしく

    「囲い込み」という言葉を使うときは、国土交通省が示している定義に照らして事実を述べる

    なぜ: 国土交通省はリーフレットのなかで、囲い込みを、自社の利益のために故意に物件の取引状況を隠し、 売主の意向に反して物件の紹介を行わない行為として説明している。 当サイトはこの定義を引くだけで、特定の業者がこれに当たるかどうかの判断はしない。 思い当たることがあれば、まず取引状況の登録内容という事実を確認する。

    出典: 国土交通省「レインズの機能強化について、物件の売主向けのリーフレットを作成しました!」(報道発表・別添リーフレット) A 公式一次

5. 重要事項の説明を受けるとき(買う側)

説明の巧拙で業者を評価するのではなく、説明すべき事項が法律に列挙されていることを利用します。くわしく

条文を手元に置いて、飛ばされた号を指して聞き直すのがいちばん速い方法です。

  • くわしく

    重要事項の説明を受ける前に、宅地建物取引業法第35条第1項の各号を開いて手元に置く

    なぜ: 同項は、契約が成立するまでの間に宅地建物取引士をして説明させなければならない事項を号で列挙している。 説明が飛んだ号を「第○号の説明が無かった」と指して聞き直せるので、印象で揉めずに済む。

    出典: 宅地建物取引業法(免許・媒介契約・重要事項の説明) A 公式一次

  • くわしく

    融資のあっせんを業者から受ける場合は、あっせんの内容と、貸借が成立しないときの措置を説明で確認する

    なぜ: 同項第12号が「代金又は交換差金に関する金銭の貸借のあつせんの内容及び当該あつせんに係る金銭の貸借が 成立しないときの措置」を説明事項としている。あっせんを受けるなら、この号は必ず説明される。

    出典: 宅地建物取引業法(免許・媒介契約・重要事項の説明) A 公式一次

  • くわしく

    自分で金融機関を持ち込む場合は、融資特約の文言を自分で読み切る

    なぜ: 第35条第1項第12号が対象にしているのは業者があっせんする場合であり、依頼者が自分の取引銀行を 持ち込む取引では、この号による説明の保護が働かない。一棟の取引では自己調達が多く、 解説記事はここを区別していないことが多い。融資が下りなかったときにどうなるかは、特約の文言でしか決まらない。

    出典: 宅地建物取引業法(免許・媒介契約・重要事項の説明) A 公式一次

6. 契約の直前と直後(買う側・売る側の双方)

  • くわしく

    交付される書面に、融資のあっせんに関する定めがある場合の「成立しないときの措置」が書かれているかを見る

    なぜ: 宅地建物取引業法第37条第1項第9号は、代金または交換差金についての金銭の貸借のあっせんに関する定めが ある場合において、そのあっせんに係る金銭の貸借が成立しないときの措置を、書面の記載事項としている。 重要事項の説明で聞いた内容が、書面にそのまま載っているかを突き合わせる。

    出典: 宅地建物取引業法(免許・媒介契約・重要事項の説明) A 公式一次

  • くわしく

    契約の解除に関する定めと、損害賠償額の予定または違約金の定めを、書面の記載で確認する

    なぜ: 同項第7号・第8号が、これらの定めがあるときはその内容を書面に記載することとしている。 金額そのものは取引ごとに違うので、当サイトは水準を書かない。書面に書かれた条件を読む。

    出典: 宅地建物取引業法(免許・媒介契約・重要事項の説明) A 公式一次

  • くわしく

    書面を電磁的方法で受け取る場合は、自分が承諾したことと、出力して書面を作成できることを確認する

    なぜ: 第34条の2第11項・第12項、第37条第4項・第5項が、依頼者・当事者の承諾を得て電磁的方法により 提供できる旨を定めている。承諾した覚えがないまま書面が来ない状態と、承諾のうえで電子的に来ている状態は別のこと。

    出典: 宅地建物取引業法(免許・媒介契約・重要事項の説明) A 公式一次

印刷してそのままお使いいただけます(すべての節を、全文で印刷します)。金額・料率はこのページに書いていません——年度で変わるためです。

関連するページ

このページに書いていないこと

(5項目)

次の情報は、正確に書けない・すぐ古くなると分かっているので載せていません。

  • 特定の不動産会社の名前・評価・順位・処分歴。当サイトは1件も持たない
  • 「囲い込みをする業者の見分け方」のような、業者の属性から危険を推定する書き方
  • 指定流通機構への登録の期限(国土交通省令で定まるため、現行の条文と公式の案内で確認する)
  • レインズの登録義務の施行日・登録できる取引状況の種類・登録証明書からのアクセス方法 (施行規則の改正とシステムの改修で動くため、確認先のリーフレットで読む)
  • 仲介手数料の水準・違約金の相場(取引ごとに決まるもので、当サイトは水準を示さない)

出典と確度

(3件:A 3)
出典種別確度備考確認日
宅地建物取引業法(免許・媒介契約・重要事項の説明) 法令 A 公式一次 昭和27年法律第176号。当サイトはこの法律を分野をまたいで引いている。 免許(第3条=免許権者の区分と有効期間、第7条=免許換えによる従前の免許の失効、 第10条=宅地建物取引業者名簿等の一般の閲覧)、媒介契約(第34条の2=書面の交付、 専任媒介契約の有効期間、指定流通機構への登録と登録を証する書面の引渡し、申込みの報告、 業務処理状況の報告、これらに反する特約の無効)、重要事項の説明と37条書面 (第35条・第37条)。 設備の権利関係(所有権・契約の承継可否)が重要事項の説明対象に含まれるかどうかは、 個別の取引・仲介の実務判断による。 免許証番号の括弧内の数字(回次)の意味はこの法律には書かれていない ——別の出典(都道府県の免許情報提供サービスのヘルプ)で確認している。 2026-09-03
国土交通省「レインズの機能強化について、物件の売主向けのリーフレットを作成しました!」(報道発表・別添リーフレット) 制度所管 A 公式一次 令和6年12月24日・不動産・建設経済局不動産業課。2026-09-20 に報道発表と別添リーフレット (全3頁)を取得して確認した。(専属)専任媒介契約を結んだ売主が、レインズの 「売主専用画面」で自分の物件の取引状況(ステータス)を自分で確認できるという機能の案内。 宅建業者への取引状況の登録の義務づけ、登録証明書からの売主専用画面へのアクセス、 登録できる取引状況の種類は、いずれも施行規則の改正とシステムの改修で動くため、 当サイトは仕様の値を書き写さず、リーフレットを確認先として示す。 「囲い込み」の定義を国土交通省自身が書いている——「一部の宅建業者が自社の利益のため、 売主・買主双方の媒介を行うことを目的として、故意に物件の取引状況を隠し、 売主の意向に反して物件の紹介を行わないような行為」(原文ママ)。 当サイトはこの定義を引くだけで、特定の業者がこれに当たるかどうかの評価はしない。 2026-09-20
国土交通省「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」 制度所管 A 公式一次 宅地建物取引業者・賃貸住宅管理業者・マンション管理業者などを横断で検索できる公式システム (2026-09-20 に開いて検索メニューと注記を確認した)。免許・登録の有無と、 免許証番号・登録年月日がここで確認できる(賃貸住宅管理業者登録簿の一般の閲覧=法第8条、 宅地建物取引業者名簿等の閲覧=宅建業法第10条に対応する面)。 業種ごとに更新の頻度が違い、更新のタイミングによっては実際の登録状況と時間差が生じる旨が ページに注記されている。 当サイトは頻度の値を書き写さない(仕様の変更で動くため)。 番号が出るのは「いつ免許・登録を受けたか」「いま有効か」までで、業務の質は入っていない。 2026-09-20

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